学部

3年

デザイン実技ⅢA(選択課題)

フォントデザイン

文字は情報伝達の手段として重要な媒体である。普段何気なく目にし、使用する文字は膨大な数に及ぶ。

生活に浸透している文字を「情報ツール」として見つめ直したとき、それはさまざまな意味や必然性を伴って存在することに気がつく。

この課題は、「ひらがな」の書体デザインをテーマとしており、和文を中心に、文字の持つ歴史を学ぶとともに、「意味と構造」の関係を理解したうえで文字のデザインに取り組んだものである。
文字は媒体としての性質上、普遍性を持たなければならない。その普遍性は長い歴史のなかで繰り返し使用されることで確立されたものであり、思いつきやひらめきで存在するものではない。歴史に謙虚に向かい合い、それを存分に吸収したうえで、今の時代に生きる人間としての感覚を、「ひらがな」の書体デザインに投影していくことがこの課題のねらいである。

展示を企画する

様々な美術館、博物館の展示を注意深く見ると、企画コンセプトから告知、展示空間、展示ツールまで様々なデザインがなされ、そこには「ヒト・モノ・バ」のよき関係を見いだすことができる。この課題は展示計画全般の基礎を学び、2月に行うメディア領域の作品展を総合的にデザイン・企画をする。また、マネージメント、コミュニケーションを考慮しグループワークを通じて実践的に学ぶことが目的である。

展示計画の実施では、企画のコンセプトづくりからPR計画、企画書、スケジュールの作成。広報計画としてのポスター・DM・フライヤー等のデザイン。また空間計画、照明計画等、サイン、キャプションなどすべての要素を企画に合わせてデザインコントロールし、これまで実施してきたメディアデザイン領域課題における総合的な到達点として位置づけている。

オブザベージョン-[観察] からのデザイン

インターネットなど他者が既に取得し公開している情報ではなく、 自ら現場に赴き行うオブザベーション[観察]を通して、潜在する「経験」を発見し抽出する。そして、そこに含まれる問題点および 価値を考察し、対象者にとってその経験がより良い価値となるよう、 デザイン提案を行う。 対象は愛知県立芸術大学 図書館の利用者(学生、教員等)とスタッフ現場とし、あらたな「望ましい経験」を提案する。制作期間 5週間 。

人と自然をつなぐデザイン

愛知芸大は広い緑地に囲まれている。 少し歩けば400万年前に湖底であったことを想起させる石や粘土に 遭遇し、その粘土を用いた古窯の遺跡が点在し、特異な地質が生む 固有の生態系がある。この課題では、愛知芸大の森に入り、自然に対する 理解を進めながら人と自然の接点(Man-Nature Interface) をデザインする。5週間。

ポスターのデザイン

視覚伝達デザインにおいてポスター表現は歴史的に見ても重要で代表的な表現媒体であると言える。現在も今後もグラフィックデザインを研究、考察するときに表現媒体としての基本となると考えられる。

この課題では「日本」をテーマにしたポスターを制作する。様々な観点から「日本」を捕らえ、紙媒体を基に、他者に伝わる視覚的な表現を試みる。

映像をデザインする

身の回りにはテレビ、映画、CMなど多様な映像があふれている。また近年はインターネットやスマートフォンで映像を閲覧するなど、映像はますます身近なものになっている。

この課題ではさまざまな映像の歴史やコンテ制作、編集の基本、CM制作のプロセスなどを学び、CM作品もしくは、アニメーションなど自己表現としての映像作品を制作する。また、映像加工ソフト・AfterEffects、や編集ソフト・FinalCut、Premiereなどによる映像制作の技術を学ぶ。

エコロジーとデザイン

私たちは「豊さ」の代償として、地球温暖化や資源の枯渇など地球環境に多大なるダメージを与えている。

日頃何気なく使っているモノは便利さやうれしさを与えてくれる反面、モノの生まれてから廃棄されるまでのプロセス(材料生成・製造生産・物流・販売・使用・廃棄)において、様々なエネルギーを消費し、CO2 やゴミなど排出している。私たちの現在の豊かさは、将来の犠牲の上に成り立っているとも言える。

「エコ」とは抜本的な改革も必要だが、小さな改善案の集積もとても重要と言える。そのためモノのライフサイクル全般に着目し、少しでも負荷を軽減するための改善案を導き出すことが求められている。

この課題ではエコロジーをテーマに、モノを使用するシーンだけでなく、製造から廃棄といったライフサイクル全般に着目し、プロダクトデザインを行う上での視点を広げることを目的としている。

住まい方のデザイン

床面積9 坪の最小限住居のデザイン(個のデザイン)と集まって住む住宅のデザイン(集住のデザイン)
1.最小限住居のデザインを通し、スケール、ゾーニング等住宅の基礎を学ぶ。
2.光や風、熱など自然環境における快適性等を追求し、具体的計画に反映させる。
3.集まって住む意味や目的、機能等を相互関係において理解し計画する。
4.計画敷地の特異性を把握し、その場所にふさわしい計画を行なう。
5.コンセプトの視覚化(図面、模型等プレゼンテーション表現の創意工夫)

広告のデザイン

現在、広告は様々な媒体に様々な手法によって夥しい数と量が社会に氾濫している。視覚伝達デザイン領域において広告は重要な研究対象の一つである。

他者に興味を持たせ、行動をおこさせる魅力的な広告の企画~制作物までを研究する。「認知→理解・共感→納得→行動」という広告の流れを理解し人に伝え、人を動かす広告とは何かを研究する。

Webをデザインする

Webサイトを作成するためには、テキストや画像を作るだけでなく、それらが端末できちんと見られるように、HTMLやCSSなどの言語でレイアウトや装飾を行い、ページとして表示させる必要がある。また、関連するページ間にハイパーリンクを設定して、情報の連携を行うなどの作業も必要である。これらの要素を分離してデータベースに保存し、サイト構築をソフトウェアで自動的に行うようにしたものがCMS(コンテンツマネジメントシステム)である。CMSを使うことによって、「コンテンツ」と「プログラム」と「GUI(グラフィック・ユーザー・インターフェース)」は完全に切り離され、別々に管理される。

これからのWeb制作においては、CMSを理解した上で、情報をどのように整理し構造化するか、がデザインの要となる。ここでは、WordPressを使ってCMSがどういうものか、HTML+CSSによる制作との違いを理解し、それらを踏まえたサイトデザインを行うことを目標とする。
1)オリジナルのブログをつくる
2)自サイトのブログ部分をWordPress化する
3)自サイトをすべてWordPress化する

食にまつわる道具の提案

浮遊する空間のデザイン

デザイン実技ⅢB(選択課題)

編集のデザイン

オリジナルの「絵本」を制作する。絵本制作の行程である企画、構成、編集、製本の行程を通し一冊のオリジナル絵本を制作する。絵本は平面的表現であることと同時に時間的表現、空間的表現でもあり本としての立体表現でもある。1冊の絵本を作り上げることにより編集デザインを学び、多くのコミュニケーションデザインの研究ができる。

紙をつくる、デザインする

紙は私達の日常に不可欠なものであるが、反面、あまりにも身近に購入できるものであり、その特徴、適性、組成には無関心だった りする。 本課題は、”紙そのものを知る”ことがまず第1の目的で、さらに紙文化の変遷を知ることや、現代に活用できる紙のデザインや表現を研究し作品化することが目的である。紙を作ることにより手漉き製紙を学び、各自の構想する作品を制作する。または紙を作る技 術を応用したデザインや表現を研究する。5週間。

セラミックのデザイン

型の発明により大量生産が可能となり、優れた製品が低価格で入手できるようになった。一方型生産には“離型”という絶対条件が伴う。この課題では造形イメージと型、その他様々な条件との関わりを、実素材(磁器)を用いた制作を通じて体験する。

具体的には古今東西のポットやウォーターピッチャーをスケッチし、その機能と形態の関係を調べる。その後粘土等を用いて立体化し、原型制作→型制作→鋳込み→素焼き→施釉→本焼成→検証というプロセスを学ぶ。

(陶磁専攻プロダクト教室学生とデザイン専攻プロダクトデザイン領域の合同課題)

アルゴリズミック・チェアー

形の決定行為と構造的解決や社会現象や行動などから導き出される空間性をアルゴリズムとして構造化し、アルゴリズミックデザインのスケーラブルな側面を活かし、繊細なデザイン表現への応用を試みる。5週間。

パッケージのデザイン

視覚伝達デザインの領域の中でも立体造形とも深くかかわるものに「パッケージ」がある。商品デザインとしてのパッケージ研究を発展させ、ここでは「プレゼント」をテーマとしたパッケージ研究を行い、「人が喜ぶ」パッケージデザインとは何か?を考え制作する。

クロスメディアデザイン

「暮らす」を支えるもの

ライティングデザイン

光は視覚芸術の最も重要な素材であり、空気と同じように我々の 周囲に満ちているが、光そのものを見ることはできない。 光が見えると感じるのは、物体と干渉して反射や、透過、拡散と いった現象を引き起こすからだ。こうした現象をコレクション 再構成できれば光を操ることが可能になる。この課題では”自然光״を用いて空間構成を生み出す方法について学ぶ。5週間。

自分を演出する100のかたち

これまで各自が行ってきた制作、表現、課題等を通して自分自身と自分自身のデザインを見つめ直し、そこから「100の形」を導き出す課題である。テーマ設定は各自自由とする。自分の表現したい物を具体的な形として導きだし、他者に伝わる「100」の表現として定着させる。

正方形を一画面とし、その中に1つの形を表現し合計100個の形としてプレゼンテーションする。

フリーペーパーを企画する

近年の情報メディアの普及によって、多様で個性的な媒体の存在がクローズアップされているが、デザイナー自らが主体的に企画、デザインから制作、マネージメントまでセルフプロデュースするアプローチが求められている。そこでは何よりもデザイナーが何事かをやろうという意思や主体性が重要になってくる。

この課題は、独自のテーマを設定し、紙媒体としてのフリーペーパーを制作し、社会に向けて発信することで自らのコンセプトやデザインを世に問い、そのフィードバックを検証する課題である。また、印刷技術全般を学びDTPによって制作されたデジタルデータを印刷原稿として入稿し、それが印刷されるまでのプロセスを実際に体験することで、デスクトップと実社会のシステムがシームレスにつながっていることを理解する。

公共のデザイン

国際化は様々なステージで必要と言われているが、周囲を海に囲まれた日本では、その必要性をほとんど感じていない。英語でのコミュニケーションの楽しさを体験することで、“失敗が恥ずかしい”というマイナス思考を打破し、海外をも視野に入れたデザイナーを育てたい。

この課題では海外連携校に提案内容を発信するため、英語によるプレゼンテーションをYoutubeにアップし英語で記述された説明パネルデータを相手校に送る。(海外連携課題)

公園のデザイン

日本の公園は大きな変革の時期を迎えている。社会は公園を従来の誰もいない退屈な場所から、市民に利用される生き生きとした魅力的な場所に変える為の新しいアイデア、従来の公園イメージ にとらわれない新しい機能や使い方、生活の提案が期待されてい る。具体的には、長久手市内にある特定の公園を対象にしてリ ニューアルの提案を行う。課題を通じて調査の手法、ユーザーや市 民活動団体との対話、計画手法、図面作成、模型作成、プレゼンテーションの手法を学び、最終的に長久手市役所公園緑地課にプレゼ ンテーションを行う。5週間。